自由を維持するには努力が必須!フリーコンサルで長生きするための信頼関係
更新日:2021.03.08充実したフリーランスとしての生活を送るため、心からフリーランスという仕事を楽しむためには何が必要でしょうか?
家族と過ごす時間や余暇?
仕事とプライベートのワークライフバランス?
スキルに見合った報酬?
どれも重要ですが、一番重要なポイントは、「仕事がある状態」をキープし続けることです。
そして、常に仕事を維持するためには、次の3つのポイントを押さえなければいけません。
・「場所と時間に縛られず、納期を自分でコントロールできる仕事(バッファに余裕がある)」を見つけられること
・フリーランスとしてその魅力的な仕事の受注を選べる立場にあること
・受注できた契約を維持・継続できること
これらのポイントを確実なものとしとき、真の意味における「自由なフリーランス」としてのスタイルが確立します。
さて、この3つのポイントは、自然に、勝手に、何も意識せずに達成できるものでしょうか?
いえ、違いますよね、それにはある一定の努力を要します。
つまり、「自由なフリーランス」としてのスタイルを獲得するには、「自由を維持するための努力」が必須なのです。
そして上記のことは、どの職種のフリーランスにも当てはまることです。
では、フリーコンサルタント(以下、フリーコンサル)における「自由を維持するための努力」とは、次のような多角的な努力です。
・コンサルタントとしての個人の能力を高める努力
・顧客との信頼関係を構築・維持するための努力
どの努力も等しく、フリーコンサルとして自由なワークスタイルを確立するために必要なものなのです。
この記事では、これらの努力のうち、「顧客との信頼関係を構築・維持するための努力」に焦点をあてたいと思います。
なぜ信頼関係が必要なのか、どのようにすればより強固な信頼関係を構築・維持できるのか、ぜひ最後までご一読ください。
目次
フリーコンサル生命を左右するのは信頼関係!
フリーコンサルで長生きするための根拠として「顧客との信頼関係構築」が挙げられる理由に迫る前に、見落としてはいけない視点があります。
それは、『「フリーコンサル」とは「フリーランス」であり「コンサルタント」である』という一見自明とも思える観点です。
それぞれの属性ごとに、顧客との信頼関係を要する理由が異なるのです。
【理由1】コンサル業界の特殊性
コンサル業は、顧客の依頼するプロジェクトあるいはクライアント企業全体の行く末に関わる仕事です。
顧客側からすると、「自分たちの未来を託す存在」、それがコンサルタントです。
そのような重大な責務を託す相手として選ばれるコンサルタントとは、必然的に、顧客にとって信頼に値する人物になります。
もちろん、顧客によって信頼性の判断基準は異なるでしょう。
実績、経歴、人柄、あるいはすべてを総合的に考慮するのか、それは顧客企業の方針次第です。
ただ、いずれの基準に依拠するとしても、「〇〇という理由から信頼に値する、故にコンサルタントとして依頼する」という論理の存在は明らかです。
これにより、コンサルタントとして仕事をする大前提に、「顧客からの信頼」が必須であることが導かれます。
【理由2】フリーランスという生業
「フリーランス」という立場を「企業」という大きな存在と比べたとき、そもそも本来的に脆弱性を帯びていると言えるでしょう。
例えば、仕事相手としてこの二択のいずれかを迫られたとき、多くの人が「企業」を選ぶはずです。
なぜなら、「企業の方がなんとなく安心できそうだから」。
特に日本では、未だフリーランスにとって逆風とも言える土壌が当然のように存在しています。
このようなハンデのある状態の中で、それでもフリーランスとして激戦を勝ち抜いていくためには、企業に所属するライバルコンサルタントたちと肩を並べ、あるいは彼らを打ち負かすだけの「何か」を備えなければいけません。
企業というある種定式化された存在とは異なった魅力を備えてこそ、顧客にとってフリーランスという存在が輝きを放ちます。
顧客にとってオンリーワンな存在になってこそ、信頼を勝ち得ることができるのです。
【理由3】フリーコンサルは双方向の信頼で成立する
コンサルタントは顧客に信頼してもらわなければいけない。フリーランスもまた顧客からの信頼を得る必要がある。
これらに加えて、もう一点大切なことがあります。それは、「クライアントを信頼できるか」ということです。
フリーコンサルとして最高の仕事をするには、「顧客企業の発展を心から手助けしたいと思えるような企業」とのお付き合いが大前提。
コンサルは顧客企業の未来を示す仕事です。その未来図は、顧客から得た情報が材料となります。
より良い材料を得て、その材料を信じることができてはじめて、コンサルタントとしての仕事の質も高まります。
信頼できない顧客との仕事には猜疑が生まれ、やがては仕事の失敗に繋がりうるでしょう。
そうなってしまっては、フリーコンサルとしての経歴に傷が付きかねません。
ぜひ、信頼できる顧客との仕事を大切にしてください。
クライアントの信頼を得る方法とは?
ここからは、どうすれば顧客からの信頼を得ることができるのかについて、具体的なシーンに応じて説明します。
営業編~仕事を獲得するまでのプロセス~
これから仕事を得ようと試みる段階において、相手は自分のことを何も知りえない状態です。
だからこそ、この「白紙」とも言える状態は、信頼獲得のためのチャンスにすることができます。
①何者かを知ってもらう
仕事だけに関わらず、人と人との関係性全般に当てはまることですが、「相手の実体を理解する、できるだけ詳細かつ具体的に知る」ことは、信頼関係構築の基礎となります。
営業の段階では、相手は自分のことを何も知りません。
まずは、「知らない」という状態に変化を与えなければいけません。したがって、できる限り、自分のことを具体的に詳しく伝える努力をしましょう。
例えば、名刺。社会的な立場を明確に示すためにも、しっかりとしたものを用意してください。
SNSやHP、QRコードなども活用して、経歴や実績などの豊富な情報を相手が知りやすい環境を整える方法を考えましょう。
この際、名刺や各種デザインに趣向を凝らして、相手の印象に深く残るアプローチをするのも有効です。
②信用第一
信用を得るために、実績を誇張するのは逆効果です。
仮に誇張された実績で契約に至ったとしても、仕事をこなしている中で水増しは露見するでしょう。
特に、エージェントを活用する形で仕事を得ている場合には、信用の崩落必至です。
焦る必要もありませんし、誇張する必要もありません。
過去の経歴を通して、どのような工夫をし、それが顧客にどのような利潤を与えたのかを誠実に伝えましょう。
その真摯な姿勢こそ、相手からの信頼獲得の最短ルートです。
立ち回り編~顧客とのやり取りの中で~
契約締結後も、信頼関係維持・向上を目的とした努力を欠かすことはできません。
①状況把握と圧倒的当事者意識
現場に入ったら、顧客組織の全体像を把握するように意識を働かせてください。
担当者以外の人の名前、部署間の連動具合、可能であるのなら、仔細な人間関係にも留意できればベストです。
コンサルタントにとって、顧客企業もまた分析対象です。
冷静な現状分析ができれば、サポート等が必要なタスクをリストアップすることができるはずです。
結果として、当事者意識をもって積極的なタスク遂行が可能となるので、顧客からの信頼に繋がります。
②顧客ニーズを掴む
顧客ニーズの把握は、顧客のより深い満足感に繋がります。
そのために必要なのは、顧客の人物タイプや仕事観を理解することです。
対象人物がどのような思考プロセスをもち、何を求める傾向が強いかを知ることは、顧客ニーズを充たす上で最高の武器となるのです。
例えば、上層部への報告を円滑に行うことに主眼を置く人には、綿密な報告内容や資料構成を積極的に提案。
業務の連続に疲弊している人には、タスクの整理、優先順位の決定及び必要なタスク処理のサポートが有効です。
プレイヤー気質が強いタイプの人には、タスクの処理状況を分析整理、全体的な進捗具合を可視化することで、作業効率向上に資することができます。
このような形で顧客ニーズの充足を積み重ね続ければ、顧客からの信頼向上は必然となるでしょう。
信頼できるクライアントとは?
上述のように、フリーコンサルとして長生きするには、信頼できる顧客を選びましょう。
例えば、クライアント事情で受注案件がご破算に至ったとしても、この業界では自分の責任になりかねないからです。
このような悲劇的な状況に対するリスクヘッジとして、リスキーな相手先は見極めなければいけません。
分かり易い情報としては、業界における評判です。
過去にひと悶着あったり、そもそも企業実態が掴めないというような場合には、避けるのがベター。
また、コミュニケーションエラーの発生率も指針となります。
資料に不備が多かったり、メールなどにおける日本語がおかしいことが頻発するのであれば、疑念を抱く余地はあります。
そもそもレスポンスが遅かったり、電話に出ないことが多いという事情があるのなら、リスクヘッジのための良い指標となるでしょう。
このような点を総合的に考慮し、「信頼できない」と判断できる場合には、無難なところで距離を取ってください。
さいごに
フリーコンサルとして長生きするためには「信頼関係が必須」であること、以上でご理解いただけたはずです。
そして同時に、信頼関係を獲得・維持するためには、「常なる努力が必須」であることも同様です。
この種の努力を継続するのはそう簡単なことではありません。
多方面における配慮を要しますので、精神的な負荷もかかるでしょう。
ただ、これらを常々意識し、長年にわたって継続できるのならば、一つずつ積み重ねていくであろう信頼自体が実績になります。
獲得した信頼、醸成されたプロ意識は、やがては企業を打ち負かすほどのものになるはずです!