「先生」業の淘汰、始まる──コンサル倒産が過去最多更新、実行支援できない者は市場から消える?
目次
東京商工リサーチが示す現実:専門性なきコンサルは顧客選別の波に飲まれる時代へ
1. コンサル倒産、過去最多の衝撃
2024年の「経営コンサルタント業」の倒産件数が、154件(前年比7.6%増)に達し、集計開始以降で過去最多を更新したことが明らかになりました。
このデータは、かつて「経営のプロ」と呼ばれたコンサルタント業界でも、競争と淘汰の変化が加速している現実を示しています。参入障壁が比較的低い業界であることから、小規模なコンサルティング会社や個人事業者が多数含まれているものの、売上不振や赤字累積による倒産が多発しています。

2. なぜコンサルが倒れるのか? 背景にある“実力差”
調査では倒産原因の多くが「不況型倒産」であり、販売不振や既往の経営悪化が影響していることが示されています。
また、経営コンサルタント業界の特徴として、参入の容易さが同時に競争激化を招いているという側面があります。少人数でも始められる反面、ブランディングや成果を出す力が不足している企業は、顧客から見放されやすい構造になっています。
さらに近年は、DX支援、M&Aアドバイス、補助金申請コンサルティングなど、顧客の求める領域が高度化・専門化しており、従来の「知識提供型」サービスだけでは付加価値を維持しにくくなっています。
3. 「まずはIT」の特需は去ったのか
コロナ禍やDX推進期には、「IT導入支援」「デジタル戦略コンサル」といった案件が急増し、市場は一時的な好況を迎えました。しかし、ITは既に特需ではなくなり、標準化・内製化が進んでいます。
その結果、単に「ITに詳しい」だけのコンサルタントでは選ばれづらくなっている現状があります。
顧客の目は冷徹になり、限られた予算と時間の中で「成果が出る専門性」を持つパートナーだけが選ばれるようになっています。
4. 顧客に残された選別眼
顧客が求めるのは、単なる資料づくりや一般論の提示ではありません。
高度化する経営課題に対して、実行可能な戦略設計と現場への落とし込み支援がセットになったサービスであることが不可欠です。
AIの進化により、情報の整理や簡易的な分析は機械に置き換わりつつあります。そのため、単純な知識や経験の延長線上にある業務は代替され、仕事の価値が急速に下がるリスクがあります。
コンサルタントにとって重要なのは、顧客の変革を実現し、成果につなげる“血の通った実行支援”を提供し続けることです。
5. 生き残るのは“実行支援”ができるプロだけ
今回の倒産統計は、単に件数の話ではありません。
顧客ニーズの変化=専門性と実装力がない事業者は生き残れないという構図を鮮明に映し出しています。
今後、コンサルタント業界で求められる能力は次のように変わりつつあります:
- 戦略だけではなく、戦術と実行まで見据えた支援
- DX・AI・M&A・事業再生などの具体的な成果にコミットする力
- 顧客組織内の意思決定と成果創出を同時に支える伴走型コンサルティング
これらの能力を持つプロフェッショナルだけが、激しい顧客選別と競争を勝ち抜けるのです。
まとめ:淘汰の時代に求められるのは価値の源泉
「経営のプロ」を自負するコンサルタントであっても、市場が求める価値と自分の提供価値が一致していなければ、淘汰される時代に入っています。顧客は単なる知識や経験よりも、成果につながる専門性と実行支援力を評価します。
コンサルタントとしての生存戦略は、過去の成功体験や属人的手法に依存することではありません。
真に顧客の成果に寄与する能力を身につけ、実装できるプロフェッショナルこそが、次の競争を勝ち抜く未来を描けるのです。


