デリバラブルとは?基本の意味を理解しよう
更新日:2026.01.06
デリバラブル(Deliverable)とは、英語の「Deliver(届ける・提供する)」から派生した言葉で、プロジェクトにおいてクライアントに提供する成果物のことを指します。
コンサルティング業界では、クライアント企業が抱える経営課題や業務上の問題を解決するために、様々な形式の成果物を作成し、提供します。この成果物こそが「デリバラブル」です。
目次
なぜデリバラブルが重要なのか?
コンサルティングプロジェクトにおいて、デリバラブルは以下のような重要な役割を果たします。
- クライアントへの価値提供の可視化:抽象的な「コンサルティングサービス」を具体的な形で示す
- プロジェクトの進捗管理:何をいつまでに完成させるかの指標となる
- 品質の担保:成果物として形に残ることで、品質基準が明確になる
- 知識の移転:クライアント企業が自社で活用できる資料として残る
コンサルタントの仕事は、単にアドバイスをするだけではありません。クライアントが実際に活用できる、価値のあるデリバラブルを作成することが求められるのです。
コンサルティングにおける代表的なデリバラブルの種類
それでは、実際にコンサルティングプロジェクトで作成される代表的なデリバラブルを見ていきましょう。
1. 提案書・企画書
概要
プロジェクトの初期段階で作成される、最も重要なデリバラブルの一つです。クライアントの課題を分析し、解決策を提案する資料です。
主な内容
- 現状分析(As-Is)
- 課題の特定
- 解決策の提案(To-Be)
- 実行計画
- 期待される効果
- 費用見積もり
作成のポイント
提案書は、クライアントがプロジェクトを発注するかどうかの判断材料となります。論理的で説得力のある内容と、視覚的に分かりやすい資料作りが求められます。
2. プロジェクト計画書
概要
プロジェクトの全体像を示す設計図となる資料です。プロジェクトの目的、スコープ、スケジュール、体制、リスクなどを包括的にまとめます。
主な内容
- プロジェクトの目的・目標
- スコープ(範囲)定義
- マイルストーン
- タスク分解(WBS: Work Breakdown Structure)
- スケジュール
- 体制図
- リスク管理計画
作成のポイント
プロジェクト計画書は、プロジェクトメンバー全員が共通認識を持つための重要な資料です。特にPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)案件では必須のデリバラブルとなります。
3. 進捗報告書
概要
プロジェクトの進行中に定期的に作成される資料です。現在の進捗状況、課題、次のアクションなどをクライアントに報告します。
主な内容
- 前回からの進捗サマリー
- 完了したタスク
- 進行中のタスク
- 発生している課題・リスク
- 次回までのアクション
- スケジュール対比
作成のポイント
週次や月次で定期的に作成されるため、簡潔で分かりやすい構成が求められます。数字やグラフを使って視覚的に進捗を示すことが効果的です。
4. 業務フロー図・プロセス図
概要
業務の流れやプロセスを視覚的に表現した図です。現状の業務(As-Is)と改善後の業務(To-Be)を比較する際によく使われます。
主な内容
- 業務の開始から終了までの流れ
- 各工程の担当者・部門
- 意思決定のポイント
- システムとの連携ポイント
- 課題となっている箇所の明示
作成のポイント
複雑な業務プロセスを誰が見ても理解できるよう、シンプルで分かりやすい図にすることが重要です。PowerPointやVisio、Lucidchartなどのツールがよく使われます。
5. 課題管理表
概要
プロジェクト遂行中に発生する課題を一元管理するための表です。ExcelやGoogleスプレッドシートで作成されることが多いです。
主な内容
- 課題ID
- 課題内容
- 発生日
- 優先度(高・中・低)
- 影響度
- 担当者
- 対応期限
- ステータス(未着手・対応中・完了)
- 対応内容・コメント
作成のポイント
課題を「見える化」することで、プロジェクトのリスクを早期に発見し、対応することができます。定期的に更新し、関係者間で共有することが重要です。
6. 最終報告書
概要
プロジェクト完了時に作成される、総括的な報告書です。プロジェクト全体の成果、得られた知見、今後の推奨事項などをまとめます。
主な内容
- エグゼクティブサマリー(要約)
- プロジェクトの背景・目的
- 実施内容
- 達成した成果
- 発見された課題と対応
- 今後の推奨事項
- 付録(詳細データ、分析結果など)
作成のポイント
プロジェクトの集大成となる資料です。経営層にも報告されることが多いため、論理的で説得力のある内容が求められます。エグゼクティブサマリーは特に重要で、1〜2ページで全体を把握できるようにまとめます。
デリバラブル作成で求められるスキル
コンサルタントとして質の高いデリバラブルを作成するためには、以下のようなスキルが求められます。
1. 論理的思考力(ロジカルシンキング)
複雑な課題を整理し、論理的に解決策を導き出す能力です。MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive:漏れなく、ダブりなく)の原則や、ロジックツリーなどのフレームワークを活用します。
2. 資料作成スキル
PowerPointやExcelを使った、視覚的に分かりやすい資料を作成するスキルです。グラフや図表を効果的に使い、メッセージを明確に伝える能力が必要です。
3. コミュニケーション能力
クライアントのニーズを正確に理解し、成果物に反映させる能力です。また、作成した資料をプレゼンテーションする際のコミュニケーション力も重要です。
4. プロジェクトマネジメント能力
複数のデリバラブルを期限内に完成させるための、スケジュール管理やタスク管理の能力です。特にPMO案件では必須のスキルとなります。
PMO案件で実践的なデリバラブル作成経験を積もう
ここまでデリバラブルの基本について解説してきましたが、実際にコンサルタントとしてスキルを磨くには、実践的なプロジェクト経験が不可欠です。
特にPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)案件は、デリバラブル作成の経験を積むのに最適な領域です。


