As-Is / To-Beとは?業務改革(BPR)を成功させる思考法・作成手順・フリー案件での評価基準を解説
更新日:2026.09.08
総合コンサルティングファームやITファームで業務改革やシステム刷新プロジェクトに携わる中で、「As-Is / To-Beの思考法をより極めてフリーランスとして独立したい」「自分の業務設計スキルが市場でいくらの単価になるのかを知りたい」と考えたことはありませんか。企業のDX推進や基幹システム(SAP等)の刷新が相次ぐ中、業務プロセスの可視化と再設計を担うコンサルタントの需要は高まり続けています。
しかし一方で、「単なる現状整理(As-Is)で終わってしまい、絵に描いたもちのTo-Beになってしまう」「フリー案件で高く評価されるAs-Is / To-Beの整理基準とは何か」と悩む方も少なくありません。
この記事では、As-Is / To-Beの基本的な定義や思考法、具体的な作成手順から、フリーコンサルタントとして独立した場合のリアルな単価相場・評価基準までをわかりやすく解説します。
目次
目次
- As-Is / To-Be(現状とあるべき姿)の基本概要
- As-Is / To-Beとは?業務改革の核となる思考フレームワーク
- なぜBPR(業務再構築)においてAs-Is / To-Beが不可欠なのか
- As-Is / To-Beを活用したBPR推進の4ステップ
- ステップ1:To-Be(あるべき姿・目標)の仮説立案
- ステップ2:As-Is(現状プロセス)の可視化と課題整理
- ステップ3:GAP(ギャップ)分析と課題の構造化
- ステップ4:To-Be(新プロセス)の確定と移行計画の策定
- As-Is / To-Be作成で失敗しないための実務ポイント
- As-Isの「沼」にはまらない(完璧主義の排除)
- Fit to Standardの思想を取り入れたTo-Be設計
- フリーコンサル案件における業務設計スキルの評価基準と単価相場
- フリーランスにおけるBPR・業務設計コンサルの単価相場
- 高単価な「プライム案件(直請け)」で評価されるポイント
- BPR・業務設計領域でフリーコンサルとして成功するためのステップ
- 自身の強みと適正単価を客観的に把握する
- 直請け・高単価案件に強いエージェントを活用する
- まとめ
As-Is / To-Be(現状とあるべき姿)の基本概要
まずは、As-Is / To-Beの正確な定義と、業務改革(BPR)における役割を整理します。
As-Is / To-Beとは?業務改革の核となる思考フレームワーク
As-Is / To-Be(アズイズ / トゥービー)とは、現状の姿(As-Is)と将来目指すべきあるべき姿(To-Be)をそれぞれ可視化・整理し、その間にあるギャップ(GAP)を特定して解決策を導き出すための思考フレームワークです。
- As-Is(現状の姿): 「現在、業務がどのように行われているか」という実態。
- To-Be(あるべき姿): 「本来、どうあるべきか」「デジタル活用や組織刷新によって目指す未来の姿」。
この2つの状態を明確に定義することで、感覚的な議論ではなく論理的な業務改革が可能になります。
なぜBPR(業務再構築)においてAs-Is / To-Beが不可欠なのか
DX推進やシステム導入において、As-Is / To-Beのプロセスを挟まずにツールだけを導入すると、「従来の無駄な手順をそのままデジタル化しただけ」「使い勝手が悪く現場に定着しない」という事態に陥ります。
業務の根本的な再設計(BPR)を成功させるためには、現状のボトルネックを冷静に特定し(As-Is)、経営目標に沿った最適なプロセスを描く(To-Be)アプローチが絶対に欠かせません。
As-Is / To-Beを活用したBPR推進の4ステップ
実務においてAs-Is / To-Beを整理し、プロジェクトを進めるための具体的なステップです。
ステップ1:To-Be(あるべき姿・目標)の仮説立案
実は、現状分析(As-Is)から始めるのではなく、「まず目指すべき方向性(To-Be仮説)」を定義するのがコンサルタントの実務テクニックです。全社の経営目標やKGIをもとに、「リードタイムを50%削減する」「伝票処理を全自動化する」といったハイレベルなあるべき姿を仮設定します。
ステップ2:As-Is(現状プロセス)の可視化と課題整理
現場へのヒアリングや業務フロー図(スイムレーンチャート等)の作成を通じて、現状(As-Is)の業務手順を可視化します。マニュアル上のルールではなく、現場で発生している「例外処理」や「二重入力」などのリアルな課題を洗い出します。
ステップ3:GAP(ギャップ)分析と課題の構造化
As-IsとTo-Beを比較し、その差分(GAP)を特定します。「なぜこのギャップが生じているのか」の原因を掘り下げ、システム・組織・ルールのどこに本質的な問題があるかを構造化(ロジックツリー等で整理)します。
ステップ4:To-Be(新プロセス)の確定と移行計画の策定
ギャップを埋めるための解決策(ITツールの導入、業務の廃止・統合など)を組み込み、最終的なTo-Beプロセスを決定します。併せて、新プロセスへスムーズに移行するためのロードマップやマニュアル作成、研修計画を立案します。
用語・ポイント解説
GAP分析(ギャップ分析)
- 意味: As-Is(現状)とTo-Be(あるべき姿)の間にある隔たり(ギャップ)を測定・分析し、解決すべき課題を明確にする手法。
- 具体例: As-Is「承認に5日かかる」とTo-Be「即時承認」の差(5日間の遅延)に対し、紙の回覧システムが原因だと特定する。
- 注意点: 単に差分を並べるだけでなく、「どのギャップが最も事業インパクトが大きいか」の優先順位付け(プライオリティ設定)が重要。
スイムレーンチャート(Swimlane Diagram)
- 意味: 部門や担当者ごとに「レーン(泳路)」を分け、業務の作業手順や情報の流れを時系列で表した業務フロー図。
- 具体例: 「営業部」「経理部」「システム」のレーンを作り、どこでボールが止まっているかを可視化する。
- 注意点: 誰が見ても一目で業務の流れと課題がわかる「視認性の高さ」がコンサルタントの腕の見せ所。
Fit to Standard(フィット・トゥ・スタンダード)
- 意味: SAPなどのERPパッケージを導入する際、自社の既存業務(As-Is)にシステムを合わせるのではなく、システムの標準機能(To-Be)に自社の業務を合わせるアプローチ。
- 具体例: 独自の承認フローを捨て、グローバル標準の業務フローを採用する。
- 注意点: 現場の抵抗が最も激しいフェーズとなるため、コンサルタントには強い合意形成力と説得力が求められる。
As-Is / To-Be作成で失敗しないための実務ポイント
プロジェクトを遅延させず、価値の高いアウトプットを出すためのポイントです。
As-Isの「沼」にはまらない(完璧主義の排除)
若手コンサルタントが陥りがちな失敗が、「現状(As-Is)の細かい例外処理まで全て完璧に図式化しようとして時間を使い果たす」ことです。As-Is分析の目的はあくまで「課題の特定」です。枝葉の業務に固執せず、全体像と本質的なボトルネックの把握に集中することが重要です。
Fit to Standardの思想を取り入れたTo-Be設計
近年の大規模システム刷新(特にSAP移行など)では、ゼロからTo-Beを描くのではなく、パッケージの標準プロセスをTo-Beのゴールとして設定する「Fit to Standard」のアプローチが主流です。業務をシステムに寄せる提案ができるコンサルタントは非常に重宝されます。
フリーコンサル案件における業務設計スキルの評価基準と単価相場
フリーランスとして独立した場合、As-Is / To-Beを中心とした業務設計・BPRスキルは非常に高い単価で評価されます。
フリーランスにおけるBPR・業務設計コンサルの単価相場
役割や担当する案件の難易度に応じた月額単価の目安は以下の通りです(稼働率100%の場合)。
- 業務可視化・As-Is整理担当(実行支援・PMO参画): 月額100万円〜130万円(想定年収:約1,200万円〜1,560万円)
- 業務設計リード・To-Be策定コンサルタント(BPR推進): 月額140万円〜180万円(想定年収:約1,680万円〜2,160万円)
- BPR統括コンサルタント・DX/ERP活用アドバイザー: 月額190万円〜250万円以上(想定年収:約2,280万円〜3,000万円以上)
※経験やプロジェクトの商流(プライム案件か否か)によって単価は変動します。
高単価な「プライム案件(直請け)」で評価されるポイント
月額150万円を超える高単価なプライム(直請け)案件で評価される基準は、「綺麗なフロー図を描くだけでなく、現場の反対を抑えてTo-Beを定着させられるか(チェンジマネジメント力)」です。
アクセンチュアやBIG4(デロイト、PwC、EY、KPMG)などのファーム出身者が高く評価されるのは、ドキュメンテーションの美しさに加え、泥臭く現場のキーマンと合意形成できる推進力があるためです。
フリーコンサル案件との接続
フリーランスの業務設計・BPRコンサルタントとして独立し、高単価を維持し続けるためには、自身の経験(会計・SCM等の業務知見やIT/SAP導入経験)がどの案件タイプで最も高く評価されるかを正確に見極めることが重要です。
特に、中間マージンの少ない「プライム(直請け)案件」にアサインできるチャネルを持つことが、フリー独立後の年収を大幅に引き上げる鍵となります。
コンサルポータルでは、PMO、IT、DX、SAP、業務改革などの領域を中心に、フリーランスコンサルタント向けのプライム高単価案件を紹介しています。独立前の市場価値確認や、今すぐの案件探しではない情報収集目的の登録も可能です。
まとめ
- As-Is / To-Beは業務改革の出発点: 現状(As-Is)とあるべき姿(To-Be)のギャップ(GAP)を特定し、本質的な課題を解決する。
- As-Is分析に時間をかけすぎない: 完璧主義を捨て、To-Be仮説から逆算して効率的に現状を整理することが成功のコツ。
- 単価相場は月額100万〜200万円超: 業務可視化だけでなく、Fit to Standardやチェンジマネジメントまで主導できると高単価が狙える。
- プライム(直請け)案件の獲得が重要: 自身の業務設計スキルを適正価格で評価してもらうには、商流の浅い案件を選ぶことが必須。
自身の業務設計スキルの適正単価を知りたい方や、フリーランス独立・案件獲得を検討している方は、まずは現在の市場価値を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。



